紙 版
内閣府はどのように生まれ、何を果たしてきたのか。「縦割り行政」を超えた総合調整を行うカギとなる行政機関を再評価する。
出版年月 | 2024年08月01日 |
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ISBN | 978-4-87259-812-4 C3031 |
判型・頁数 | A5判・214ページ |
定価 | 本体3,800円(税込4,180円) |
在庫 | 在庫僅少 |
内閣府はどのように生まれ、何を果たしてきたのか。
内閣府は、複雑化した政策課題に対応するために省庁官僚制の「縦割り行政」を超えた総合調整を行うカギとなる行政機関である。首相や特命担当大臣などの閣僚を補佐する組織として「一段高い」立場から行政官僚制を動かすことで、経済政策や防災などの重要政策の司令塔として政策調整を行う使命を課せられてきた。しかし、2000年代に少子化問題など多様な政策課題が相次いで持ち込まれる中で、内閣府の組織は膨れ上がる。より使い勝手の良い組織にするために、2016年に「内閣府のスリム化」が行われ、政策の一部は各省庁へと移管された。
このような「内閣府の拡充」は、日本政治においてはマイナスの評価を受けてきたが、果たして本当に負の側面しかなかったのか。本書では、内閣府の拡充が行われることになった真の背景を明らかにし、中央省庁再編直後の組織改革の継続期において、省庁官僚制では応じられなかった行政需要を内閣府が引き受けてきた功罪を示す。そして、こうした内閣府による省庁官僚制の補完が意味する「官邸主導」型行政システムへの変化や、行政官僚制の中で柔軟性を発揮する内閣府が果たす役割について論じる。
2021年11月刊行『分散化時代の政策調整』のオンデマンド版
序章 本書の目的と構成
第1章 政府中枢に関する理論的検討
第2章 省庁官僚制の長期的変容
第3章 内閣府構想の展開と社会政策
第4章 内閣府の拡充と融解
第5章 政策調整の構造分析
第6章 内閣官房と政策調整会議
第7章 内閣府構想の意義と限界
参考文献・あとがき・索引
小林悠太(コバヤシユウタ)
【初版刊行時】広島大学大学院人間社会科学研究科 助教