全ての書籍 シリーズ・叢書/大阪大学総合学術博物館叢書/人文科学/歴史・地理 ものづくり上方“酒”ばなし
紙 版
日本における西洋のビール・ワイン・ウイスキーの技術開発の変遷
出版年月 | 2012年10月 |
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ISBN | 978-4-87259-218-4 C1321 |
判型・頁数 | A4判・96ページ |
定価 | 本体2,000円(税込2,200円) |
在庫 | 在庫あり |
日本列島の酒の歴史において,上方は生産・技術に重要な役割を果たした.江戸時代の伊丹・池田・灘の酒の生産は経済の繁栄をもたらしただけでなく社会・文化にも広く影響を及ぼした.近代になって西洋のビール・ワイン・ウイスキーの技術開発は大阪高等工業学の醸造学科が先駆を担い,事業としては吹田(アサヒビール)山崎(サントリー)などで生産が開始され全国各地へ広がった.これらの変遷を楽しく紹介する.
カラー図版(32ページ)
Ⅰ 古代・中世の酒と人々 (松永和浩)
古代日本の酒と人々
中世日本の酒と人々
中世的「酒」から近世的「酒」へ
コラム 古代・中世の酒杯 (高橋照彦)
コラム 飲酒と戒律 (芳澤元)
Ⅱ 江戸を席巻する「下り酒」 (久野洋・松永和浩)
「下り酒」の銘醸地・伊丹
池田酒の盛衰
灘の生一本
コラム 待兼山と『池田酒史』 (本井優太郎)
Ⅲ 洋酒製造・普及の最前線 (久野洋・伊藤謙)
巨大ビール工場の出現—吹田村醸造所—
「ポートワイン」の普及—鳥井信治郎の販売戦略—
コラム 薬酒の世界 (伊藤謙)
Ⅳ ジャパニーズ・ウイスキーの先駆者 (松永和浩)
「舶来」・「偽物」の時代
最初の事業家・鳥井信治郎
最初の技術者・竹鶴政孝
Ⅴ 大阪高工醸造科スピリッツ (松永和浩)
坪井仙太郎—大阪高工醸造科初代教授
西脇安吉—醸造科存続の危機を救う
岩井喜—郎—「竹鶴ノート」を受け取った、第1回卒業生
本坊蔵吉—焼酎ブームを牽引
河内源一郎—焼酎をハイカラにした男
北原覚雄—火落菌を解明
江田鎌治郎—速醸の発明者
田中公一—アル添酒に初成功
小暮保五郎—灘の丹波流生を 継承
森太郎—『灘の酒用語集』を編纂
花岡正庸—秋田吟醸酒の父
佐藤卯三郎—吟醸酒を研究・実践
小穴富司雄—最古の「きょうかい酵母」を分離
小玉確治—冷酒の先覚者・小玉健吉—酵母研究の権威
古川董—濃厚多酸酒と古酒を追求
長谷川勘三—醸造機械から伝統回帰へ
松永和浩(マツナガ カズヒロ)
大阪大学総合学術博物館助教