全ての書籍 大阪大学法史学研究叢書/政治・法律 近代日本の行政争訟制度
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近代日本行政争訟制度の理解を刷新する。行政裁判所の実像に迫り、また外地や満洲国の行政争訟制度をはじめて明らかにする。
出版年月 | 2022年03月11日 |
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ISBN | 978-4-87259-752-3 C3032 |
判型・頁数 | A5判・580ページ |
定価 | 本体7,800円(税込8,580円) |
在庫 | 在庫あり |
戦後否定された行政国家制の実像を再考する―
等閑視されてきた外地等の行政争訟制度を紹介するとともに、「行政裁判所は行政処分の正当性を事後的に弁明する機関に過ぎなかった」という“通説”を再検討し、行政争訟制度の歩みについて新たな理解を提示する。
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本書は、明治国家期の行政争訟制度の理解を刷新することを目指す。第一に、「官庁の保護機関」と称されることもあった行政裁判所の実像に迫った。まず、明治23年の行政裁判法制定が、他の行政機関から相対的に独立した裁判機関を設置することにあったことを明らかにした。そのうえで、明治20年代以降の制度改革の動きに注目し、行政裁判所が、行政裁判権の拡充強化を目指す改正案作りを主導していたことを示した。第二に、これまで知られてこなかった外地(台湾、朝鮮)及び傀儡国家(満州国)における行政争訟(制度)について論じ、台湾についてはその実態も示した。これにより、近代日本行政争訟制度の新たな「像」を提示した。
序章 本書の問題意識と課題設定
第一部 内地における行政争訟制度改革構想と行政裁判所
第一章 行政裁判所の設置
第二章 行政裁判所の組織と権限
第三章 法典調査会による行政争訟法改正作業
第四章 山脇長官期の行政裁判法改正作業
第五章 行政裁判所による改革の試み
補論 戦時期の行政裁判所
第二部 内地以外の地域における行政争訟制度
第六章 台湾への訴願制度の導入
第七章 朝鮮への行政争訟制度導入計画
第八章 満洲国訴願手続法の制定
終章 行政裁判所の廃止
附表
行政争訟関連法令・主要人名索引/あとがき
小野博司(オノ ヒロシ)
1979年 神戸市に生まれる
2002年 大阪大学法学部卒業
2007年 大阪大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学
現 在 神戸大学大学院法学研究科教授 博士(法学)大阪大学
専 門 日本近代法制史
主要業績 『戦時体制と法学者─1931~1952─』国際書院(2016)(共編著)
『概説日本法制史』弘文堂(2018)(分担執筆)
『近現代東アジアの地域秩序と日本』大阪大学出版会(2020)(分担執筆)
書評・紹介 2023年8月29日
『近代日本の行政争訟制度』が『ジュリスト』に書評掲載されました
本書が『ジュリスト』9月号にて書評掲載されました。「行政裁判所の全体像を初めて提示した研究といってよい…その周到さと精密さは圧倒的」評者は岡田正則先生(早稲田大学)です。