全ての書籍 シリーズ・叢書/阪大リーブル/社会 グローバル社会のコミュニティ防災
紙 版電子版
国内外被災地で,多言語での情報発信の活動を続けてきた著者が,その経験をもとに,多様なマイノリティとの共生の方策を提言する
出版年月 | 2013年03月01日 |
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ISBN | 978-4-87259-425-6 C1336 |
判型・頁数 | 四六判・194ページ |
定価 | 本体1,700円(税込1,870円) |
在庫 | 品切れ・重版未定 |
近隣地域社会の共助を中心にコミュニティの災害対応能力の向上をめざす「コミュニティ防災」が機能するためには,多様な構成メンバー,特に外国出身のコミュニケーションが容易でない人たちへの視点が重要不可欠である.阪神・淡路大震災以降,国内外の被災地でコミュニティラジオ放送を中心に,多言語での情報発信の地道な活動を続けてきた著者が,その豊富な経験をもとに,多様なマイノリティとの共生の方策を提言する.
第一章 多様化した日本におけるコミュニティ防災
1 コミュニティ防災とは
2 コミュニティの多様な構成メンバー
3 コミュニティ防災を促進させる三つの鍵
4 マイノリティは災害弱者なのか?
5 インドネシアで学ぶコミュニティ防災
コラム 海外のコミュニティ防災活動の意義
第ニ章 阪神・淡路大震災からの気づき−ボランティア元年−
1 住民自治の重要性
2 震災の救援活動から日常的なまちづくり活動へ
3 多文化共生をめざす活動の影響
第三章 気づきを東日本大震災の復興へつなぐ
1 多言語ネットワークを活用したその後の災害支援活動の展開
コラム 東日本大震災で生まれた広域対応型支援体制
2 東日本大震災支援活動とは
コラム 東日本大震災の災害エフエムは多様な住民参画が不可欠
3 小人数として暮らしている移民の視点への気づきへ
第四章 コミュニティ防災におけるマイノリティへの視点が示唆するもの
1 権利としてのアクセシビリティと公共性
2 マイノリティの中の移民
3 「人権」について
コラム 外国人住民はコミュニティ放送の運営に参画できない!?
吉冨志津代(ヨシトミ シズヨ)
大阪大学グローバルコラボレーションセンター特任准教授。
NPO法人多言語センターFACIL理事長。NPO法人エフエムわいわい代表理事。神戸大学修士(国際学)、京都大学博士(人間・環境学)。
外国語大学卒業後、在神戸アルゼンチン総領事館など中南米の領事館秘書を経て、1990年の入管法改正以来、急激に増えた日系中南米人の支援として、スペイン語による関西生活ガイドブックの監修などの活動を始める。
外国人救援ネット設立やコミュニティ放送局「FMわぃわぃ」の設立参加。
グローバル社会において、コミュニティラジオを活用した、多言語環境の促進、外国にルーツを持つ青少年育成活動、外国人自助組織の自立支援活動、防災活動などに従事。ひょうご市民活動協議会共同代表、NPO法人たかとりコミュニティセンター常務理事、財)兵庫県人権啓発協会人権問題研究アドバイザー、兵庫県県民生活審議会委員、兵庫県長期ビジョン審議会委員、移民政策学会理事なども務める。
著書に、『多文化共生社会と外国人コミュニティの力―ゲットー化しない自助組織は存在するか?』現代人文社(2008)など。
受賞 2013年5月17日