全ての書籍 教育・心理 体験型ワークで学ぶ教育相談
紙 版
研究型総合大学における教職課程のニーズに応えた,学生がリアリティをもって学ぶことができる教科書.
出版年月 | 2015年04月01日 |
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ISBN | 978-4-87259-424-9 C3037 |
判型・頁数 | A5判・290ページ |
定価 | 本体2,300円(税込2,530円) |
在庫 | 在庫あり |
研究型総合大学における教職課程のニーズに応えた,学生がリアリティをもって学ぶことができる教科書.臨床心理学的アプローチをベースにした体験型ワークを数多く組み込むほか、いじめや学級崩壊に関して主体的に議論できる素材を提供して,教育相談に関する様々な関係者に対応できる知識とアドバイスを盛り込む.認知行動療法ワークやSST,発達障害の子どもへの対応ワークは,学校現場でも実用的に使用することができる.
はじめに
第1章 学校教育における教育相談
1 ある事例から
2 本書の構成と特徴
第2章 教師に求められるカウンセリングスキル
1 教師が生かせるカウンセリングスキル
2 「心の世界」と「現実の世界」の中で実感を育てる
3 体験学習―集団から個人へのアプローチ―
ワーク2―1 1本のペンを支える
ワーク2―2 バウムテストを使ったイメージワーク<元気をつくる>
Column 臨床動作法
第3章 カウンセリングの基礎知識
1 はじめに
2 精神分析療法
3 分析心理学
4 認知行動療法
ワーク3―1―1 思考記録表を作ってみよう(個人)
ワーク3―1―2 思考記録表を作ってみよう(集団)
ワーク3―2 マインド・マップを作ってみよう
第4章 カウンセリングの演習―個人へのアプローチ
1 はじめに
2 個を育てる「傾聴」のワーク
ワーク4―1 傾聴のトライアングルワーク―実践編―
3 個を育てる「イメージ表現」のワーク―コラージュによる認知物語アプローチ
4 終わりに
ワーク4―2 傾聴に役立つ相づち
ワーク4―3 傾聴のトライアングルワークのまとめ
ワーク4―4 コラージュ作品への認知物語アプローチ
第5章 カウンセリングの演習―グループでのアプローチ
1 はじめに―開発的カウンセリングという視点
2 グループで行うカウンセリング―構成的グループエンカウンター
3 グループで行うカウンセリング―ロールプレイを用いて
4 グループで行うカウンセリング―イメージを用いて
5 終わりに―人と関わること
ワーク5 上手な断り方を考えてみよう
Column 想像という妙薬
第6章 カウンセリングの方法と演習―イメージ表現を用いて
1 はじめに
2 自己理解と他者理解のためのイメージ活用
3 芸術・表現両方によるアプローチ―見る力・観る力を育てる
4 芸術・表現両方によるアプローチ―聞く力・聴く力を育てる
5 ダンス・ムーブメント・セラピーと心理劇―身体表現を育てる
ワーク6―1―1 夜空の星と星座
ワーク6―1―2 夜空の星とイメージ展開
ワーク6―2―1 色いろ遊び<直線と曲線による画面構成>
ワーク6―2―2 造形遊び
ワーク6―3―1 手拍子やリズム楽器を使っての<リズム問答>
ワーク6―3―2 受動的な音楽療法の応用―アンジェラ・アキ『手紙~拝啓十五の君へ~』を素材にしてイメージを広げよう
ワーク6―4 ダンスやムーブメントによる感情表現
第7章 発達障害・特別支援教育
1 学校現場における発達障害とは
2 発達障害の基礎知識
3 特別支援教育における発達障害
4 発達障害のある子どもたちへの理解と対応
5 終わりに
ワーク7―1 発達障害のある子どもへの指示
ワーク7―2 発達障害の子どもたちの疑似体験ワーク
ワーク7―3 自閉症者の世界に触れる
第8章 思春期の心理的問題
1 はじめに―大人になることを前にして
2 思春期の発達課題
3 思春期の心の理解と支援
4 思春期に現れやすい病理
5 終わりに
ワーク8 「中二病」あれこれ―思春期を思い出し、子どもの理解に役立てよう
第9章 不登校
1 不登校とは
2 こころの問題
3 外の世界との連携
ワーク9 物語「いばら姫」の続き
Column 1人で考えるか、人と話し合うか
第10章 いじめへの対応
1 いじめという現象
2 現代のいじめの実際
3 いじめはなぜ起こるのか
ワーク10―1 子どもたちの日常生活を把握するための工夫
ワーク10―2 いじめを振り返る
ワーク10―3 いじめの芽を摘む方法
Column 教育相談と認知行動療法
第11章 学校運営に関する困難
1 現代の教育現場の実情
2 実際に体験してみる
3 問題行動とは
ワーク11 クラスの問題児を演じてみよう
第12章 保護者への対応
1 保護者との連携
2 保護者へのサポート(連携のスキル)
3 保護者の苦情・要望に対する理解と関わり方
ワーク12―1 1つの絵から2つの絵を観る
ワーク12―2 一方通行のコミュニケーションと双方向のコミュニケーション
ワーク12―3 身体の距離と心の距離
第13章 他業種、他機関との連携と支援のあり方
1 はじめに
2 学校内外の他業種との連携
3 チームとしての連携と留意点
4 まとめ
ワーク13 発達障害の可能性がある子どもへの対応
第14章 教職員のメンタルヘルスと目指す教師像
1 教職員のメンタルヘルス
2 自分の教師像を膨らませる
ワーク14―1 「なりたい教師像」のマインド・マップ
ワーク14―2 マインド・マップのシェア
付録 さらなる読書のために
あとがき
執筆者紹介
索引
小野田正利(オノダ マサトシ)
大阪大学大学院人間学研究科教授。学校経営学・教育制度学。
主な著書は次のとおり。
『悲鳴をあげる学校~親の”イチャモン”から”結びあい”へ』旬報社、2006年
『普通の教師が普通に生きる学校~モンスターペアレント論を超えて』時事通信社、2013年
『教育参加と民主制~フランスにおける教育審議機関に関する研究』風間書房、1996年
『親はモンスターじゃない!~イチャモンはつながるチャンスだ』学事出版、2008年
『ストップ自子チュー~親と教師がつながる』旬報社、2010年
藤川信夫(フジカワ ノブオ)
広島大学大学院教育学研究科単位修得満期退学。博士(教育学)。広島大学教育学部講師、広島大学大学院国際協力研究科講師、大阪大学大学院人間科学研究科助教授を経て、現在、同研究科教授。2009年4月から2013年3月まで、大阪大学教育実習当専門部会長。著書として『教育学における神話学的方法の研究』(単著、風間書房、1998年)、『教育学における優生思想の展開』(編著、勉誠出版、2008年)、『教育/福祉という舞台』(編著、大阪大学出版会、2014年)などがある。
大前玲子(オオマエ レイコ)
大阪大学大学院人間科学研究科単位修得満期退学。博士(人間科学)。臨床心理士。大阪大学大学院人間科学研究科助教、大阪大学大学院医学系研究科特任講師を経て、現在大阪大学大学院人間科学研究科及び全学教育推進機構非常勤講師。大学卒業後より公立教育研究所教育相談係、公立小学校教諭、私立中学・公立学校スクールカウンセラーなどの学校教育臨床に携わってきた。
上野和久(ウエノ カズヒサ)
鳴門教育大学学校教育専攻生徒指導コース終了。臨床心理士。
1976年から和歌山県立公立高等学校教諭、教頭、その後、和歌山心療オフィス・和歌山心理教育研究所所長。大阪経済大学人間科学部非常勤講師、大阪大学全学教育推進機構非常勤講師、和歌山大学経済学部非常勤講師を兼務。ほかに、和歌山県臨床心理士会副会長。
管生聖子(スガオ ショウコ)
大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程修了。博士(人間科学)。臨床心理士。2006年から2009年まで公立高校スクールカウンセラー。2007年より精神科診療所非常勤心理士。現在、大阪大学大学院人間科学研究科助教。
稲月聡子(イナツキ サトコ)
大阪大学大学院人間科学研究科単位修得満期退学。臨床心理士。2003年から2011年まで公立中学スクールカウンセラー。2003年より総合病院メンタルヘルスセンターにてカウンセラー、2009年より大阪大学全学教育推進機構非常勤講師。
山本惠子(ヤマモト ケイコ)
大阪大学大学院人間科学研究科単位修得満期退学。博士(人間科学)。臨床心理士。大阪大学人間科学部助手、聖母被昇天短期大学助教授・教授、大阪産業大学・大学院教授を経て、和学(なごみがく)研究所の所長、1995年より大阪大学全学教育推進機構非常勤講師、2014年より協調運動用遊具(PNo. 4630779, PNo.4895636)の商品化・開発中。
藤澤佳澄(フジサワ カスミ)
大阪大学大学院人間科学研究科単位修得満期退学。博士後期課程在学中より、各種学校で心理学非常勤講師を務める。同時に、2006年から2014年までメンタルクリニックにて非常勤心理職として従事。2012年より大阪大学全学教育推進機構非常勤講師。
藤野陽生(フジノ ハルオ)
大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程退学。臨床心理士。現在、大阪大学大学院人間科学研究科助教。動作法を用いた障害児・者への支援などの実践を行っている。
井村修(イムラ オサム)
大阪大学大学院人間科学研究科教授。臨床心理学。
「筋ジストロフィー患者への心理的サポート」Brain and Nerve Vol.63、No. 11、pp.1245-1252、2011年。障害を持つ子どもたちを対象に、臨床動作法の実践と研究を行っている。また筋ジストロフィーの心理的支援や発達障害傾向の問題にも関心を寄せている。自称体育会系研究者。モットーは知力よりは体力。
老松克博(オイマツ カツヒロ)
大阪大学大学院人間科学研究科教授。ユング心理学、精神医学。
著書として『人格系と発達系―<対話>の深層心理学』(講談社、2014年)、『ユング的悩み解消法』(平凡社、2011年)、『アクティヴ・イマジネーションの理論と実践①~③』(トランスビュー、2004年)ほか、役所としてユング『ヴィジョン・セミナー』(共監訳、創元社、2011年)、ユング『哲学の木』(監訳、創元社、2009年)、ユング『クンダリニー・ヨーガの心理学』(創元社、2004年)、アスパー『自己愛障害の臨床』(創元社、2011年)ほかがある。
野村晴夫(ノムラ ハルオ)
大阪大学大学院人間科学研究科准教授。臨床心理学、生涯発達心理学。
「生活史面接後の「内なる語り」:中高年の不随意的想起に着目した調査」『臨床心理学研究』32、pp.336-346、2014年。
「ナラティヴ・アプローチが照射する心理臨床の主観と客観:共同構成される物語の方向性と共有可能性に着目して」『人間性心理学研究』32、pp. 79-86、2014年。
佐々木淳(ササキ ジュン)
大阪大学大学院人間科学研究科准教授。臨床心理学、異常心理学。
『大学生における自我漏洩感の心理学研究:認知行動療法の視点から』風間書房、2011年。Sasaki. J., Wada. K.& Tanno. Y.(2013). Understanding Egorrhea from Cultural-Clinical Psychology. Frontiers in Psychology. 4; 894 など。
書評・紹介 2015年10月13日
体験型ワークで学ぶ教育相談
『児童心理』(2015年11月号,金子書房)書評コーナーにて紹介されました。