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全ての書籍 人文科学哲学・思想・宗教歴史・地理 西洋化の限界(The Limits of Westernization)

西洋化の限界(The Limits of Westernization)

アメリカと東アジアの知識人が近代性を創造する(American and East Asian Intellectuals Create Modernity,1860-1960)

ジョン・T・ダヴィダン(Jon Thares Davidann) 著/中嶋啓雄 監訳/伊藤孝治周游竹澤由記子中村信之ミラー枝里香

紙 版

東アジアの知識人たちが西洋の影響を受けつつ独自に近代化を遂げた思想を追う。異色のアメリカ人研究者による近代化論、初邦訳。

出版年月2024年11月22日
ISBN978-4-87259-771-4 C3020
判型・頁数 A5判・414ページ
定価本体7,200円(税込7,920円)
在庫在庫あり
内容紹介
目 次
著者略歴

東アジアの近代化は、単なる西洋化への道ではない――福沢諭吉、デューイ、ユンチホ、ビアード、吉野作造、魯迅、胡適といった東アジアの知識人が、西洋諸国の東アジア進出以降、アメリカ知識人の影響を受けつつも陽明学の伝統を背景として独自に近代化を完遂する思想的支柱を保持し続けてきたことを明らかにする。アメリカ研究から日本近代史研究に移った異色のアメリカ人研究者が紐解く東アジアの近代化、初の日本語訳。

序章 歴史叙述と西洋化の限界
問題の所在
主旨
日本と中国の知識人が近代性を創出する
アメリカの近代性の出現と限界
危機の時代とアメリカの力の勝利
戦前の西洋化
戦後の歴史記述――フェアバンクとライシャワー
結論

第1章 東アジアにおける近代性――初期の先駆者(1860〜1920年代)
福沢諭吉、西洋へ行く
東アジアの知識人・王陽明の思想と近代性
福沢諭吉と近代的独立
日本のキリスト教徒と土着化
大日本帝国と近代化
中国の知識人・梁啓超と近代性
孫文と近代化、そして王陽明
尹致昊と朝鮮の近代化
結論

第2章 1890年代から1910年代にかけてのアメリカ的思想における近代性の発展
フランツ・ボアズとイヌイット族
アメリカ人近代主義者の登場
フランツ・ボアズ――人種と相対主義
プラグマティズムと近代性――ウィリアム・ジェイムズ、W・E・B・デュボイス、そしてジョン・デューイ
革新主義者と改革――ジェーン・アダムズとメアリー・パーカー・フォレット
フランシス・ケラーとランドルフ・ボーン――第一次世界大戦と近代主義者の分裂
結論

第3章 ジョン・デューイの中国への旅、胡適、魯迅、そして中国の近代性――1919年から第二次世界大戦まで
ジョン・デューイと五・四運動
胡適とプラグマティックな近代の挫折
ジョン・デューイの中国での講演
魯迅、国家主義、そして中国の近代性
結論

第4章 1920年代におけるアメリカと日本の国際主義と近代性
近代性と市政改革――チャールズ・ビアード、東京へ行く
鶴見祐輔と近代日本政治
近代性の救済――ジェイムズ・T・ショットウェルの国際主義
ジェーン・アダムズと「人類の相互依存」
河井道――日本の国際主義とナショナリズム
吉野作造と日本の近代性の独自性
道案内された近代性――尹致昊(ユンチホ)、韓国における日本支配を受け入れる
結論

第5章 危機にある近代性――1930年代〜1940年代
世界恐慌の衝撃
近代性に対するチャールズ・ビアードの信頼の喪失
フランツ・ボアズの学生マーガレット・ミードとルース・ベネディクトの戦時
W・E・B・デュボイスと東アジアへの旅
蠟山政道と日本の地域主義
竹内好――第二次世界大戦における近代性の克服
蒋介石と新生活運動
結論

第6章 戦後世界における変容
知識人への戦争の影響
ジョン・K・フェアバンクとエドウィン・O・ライシャワー――東アジアにおける近代性の歴史
丸山眞男と日本的近代性の「持続」
毛沢東と社会主義的近代性の台頭
結論

結び
監訳者あとがき

ジョン・T・ダヴィダン(Jon Thares Davidann)(ジョン ダヴィダン)

ミネソタ大学大学院において、アメリカ史と日本史双方の分野で博士号(Ph. D.)を取得した後、ハワイ・パシフィック大学でアメリカ史、東アジア史、世界史を教えている。現在、同大学教授。本書でハワイ在住の歴史家が執筆した最も優れた研究書に与えられるケネス・ボールドリッジ賞(Kenneth Baldridge Prize)を受賞。
主著:A World of Crisis and Progress : The American YMCA in Japan, 1890-1930 (Lehigh University Press, 1998); Cultural Diplomacy in U.S.-Japanese Relations, 1919-1941 (Palgrave Macmillan, 2007)等

中嶋啓雄(ナカジマヒロオ)

一橋大学大学院法学研究科博士後期課程満期退学(博士(法学))
現在:大阪大学大学院国際公共政策研究科教授
主著:『モンロー・ドクトリンとアメリカ外交の基盤』(ミネルヴァ書房、2002年)
International Society in the Early Twentieth Century Asia-Pacific :Imperial Rivalries, International Organizations, and Experts(Routledge, 2021)(編著).

伊藤孝治(イトウコウジ)

イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校歴史学研究科博士課程修了(Ph. D. in History)
現在:大阪大学大学院人文学研究科専任講師
主著:“Contesting Alaskan Salmon : Fishing Rights, Scientific Knowledge,and a U.S.-Japanese Fishery Dispute in Bristol Bay in the 1930s,”
Japanese Journal of American Studies , No. 31(2020).
「生態学的地図作成の試み――戦間期の北太平洋における鮭鱒漁業の変容と水産海洋学的アプローチの台頭」太田出・川島真・森口(土屋)由香・奈良岡聰智編『領海・漁業・外交――19~20世紀の海洋への新視点』(晃洋書房、2023年)所収

周游(シュウユウ)

大阪大学大学院国際公共政策研究科博士後期課程修了(博士(国際公共政策))
現在:孫文記念館研究員、大阪大学大学院国際公共政策研究科招へい研究員
主著:「山本条太郎の中国での拡張活動と近代日中関係についての一考察」(博士論文)

竹澤由記子(タケザワユキコ)

大阪大学大学院国際公共政策研究科博士後期課程修了(博士(国際公共政策))
現在:大阪女学院大学国際・英語学部特任講師
主著:“Evolution of Japan’s Non-US Centric Security Strategy and European Influence on Japan’s Peace-Building Policy.” Paul Midford and
William Vosse, ed., New Directions in Japan’s Security (Routledge, 2020).
「北欧防衛協力(NORDEFCO)の進展の要因とその役割についての考察」中内政貴・田中慎吾編著『外交・安全保障から読む欧州統合』(大阪大学出版会、2023年)

中村信之(ナカムラノブユキ)

大阪大学大学院国際公共政策研究科博士後期課程満期退学(博士(国際公共政策))
現在:神田外語大学外国語学部専任講師
主著:「『国民外交』における『中心』性と『周辺』性――戦前期日米学生会議と日比学生会議を題材に」『国際政治』191号(2018年)
“The cultural exchange programs in the prewar period as cultural borderlands : The Japan-America Student Conference and the Philippines-Japan Student Conference,” in International Society in the Early Twentieth Century Asia-Pacific : Imperial Rivalries, International Organizations, and Experts , ed. Hiroo Nakajima(Routledge, 2021).

ミラー枝里香(ミラーエリカ)

キングズ・カレッジ・ロンドン政治経済学研究科博士課程修了(Ph. D. in Social Science and Public Policy)
現在:新潟県立大学国際地域学部専任講師
主著:“Japan's Middle East Policy, 1972-1974: Resources Diplomacy, Pro-American Policy, and New Left,” Diplomacy & Statecraft , Vol. 28, No.4(2017).
Britain and Japan in the 1973 Middle East Oil Crisis : Washington’s Silent Partners (Routledge, 2024)