全ての書籍 シリーズ・叢書//哲学・思想・宗教/社会 改訂版 ジェンダー・スタディーズ
紙 版電子版
人気講義「現代の差別を考える(女性学・男性学)」の13人の講師陣による,ジェンダーにかかわる知・学びへと誘う入門書決定版.
出版年月 | 2015年03月01日 |
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ISBN | 978-4-87259-497-3 C3036 |
判型・頁数 | A5判・274ページ |
定価 | 本体2,400円(税込2,640円) |
在庫 | 在庫あり |
人気講義「現代の差別を考える(女性学・男性学)」の13人の講師陣による,ジェンダーにかかわる知・学びへと誘う入門書決定版.「ことば・アートとジェンダー」「家族と性をめぐる変動と挑戦」「ジェンダー視点で考える社会制度・福祉」「グローバル社会とジェンダー」といった多岐にわたる断面から,基礎的な知識のみならず,その背後にある考え方や歴史,思想を習得するとともに,より深い考察に至ることができるよう構成されている.
ジェンダー・スタディーズへの招待― 序にかえて
Part I ことば・アートとジェンダー
第1章 日本語表現に潜むジェンダー
1 言語によるコミュニケーション
2 日本語についてのジェンダー研究
3 新聞記事にみられる日本語表現の観察
4 外からみた日本語におけるジェンダーの問題
5 言語表現や人々の意識に潜むジェンダーから何を学ぶか
コラム ジェンダーの観点から批判的に言語活動を内省する
第2章 ジェンダー・リテラシーで読み解く文学
1 文学とジェンダー
2 読みのこころみ
3 文学がひらく可能性
コラム アニメ『攻殻機動隊』
第3章 現代アートとジェンダー
1 女性アーティストの作品からみる現代ニッポン
2 美術・視覚文化とジェンダー研究
コラム 女性アーティストの本を読もう!
Part Ⅱ 家族と性をめぐる変動と挑戦
第4章 ワーク・ライフ・コンフリクト問題―男の「性/ せい」?
1 男性の立場から考える
2 ワークとライフをめぐる歴史
3 短時間労働の試みとフレキシビリティ・スティグマ
4 男らしさの神話
5 ワークとライフの関係性
コラム ホワイトカラー・エグゼンプションとワーク・ライフ・コンフリクト
第5章 多様なライフスタイルと家族
1 未婚化・晩婚化:何が問題なのか
2 家族の歴史と現在
3 ジェンダー家族
4 新しい家族の試み
5 現代社会の変動と家族
コラム 専業主婦2.0
第6章 セクシュアリティと日本社会
1 セクシュアリティを考える―なぜ考えるのか?
2 性について語る―いったい何を?
3 性教育の「謎」
4 タブーとしてのセックス
5 グローバル社会での日本人の性
6 「道徳的本質主義」のしくみ
コラム 「 セックスの社会的用法」
第7章 「 性別」は「女と男」ではない― 多様な性の混沌を捕捉する
1 「性別」って何だろう?
2 「性別違和」と性的少数者
3 問題は「社会で」起きている
4 多様な性の深淵を探る
コラム ミッキーマウスはミニーマウスと同一人物!?
Part Ⅲ ジェンダー視点で考える社会制度・福祉
第8章 教育とジェンダー― 歴史と今をみつめる
1 教育を受ける権利とジェンダー
2 ジェンダーの視点からみた近代日本教育史
3 現代の学校教育とジェンダー秩序
4 変わっていく学校、変わっていく社会
コラム 学力調査にみる性差
第9章 年金とジェンダー
1 ジェンダーと社会保障法
2 老齢年金にみる女性の年金
3 遺族年金にみるジェンダー
コラム 遺族補償年金男女格差違憲訴訟
第10章 高齢者介護とジェンダー
1 介護とジェンダー―誰が介護し、誰が払うのか
2 ジェンダーの視点からみた戦後の福祉国家
3 家事使用人の歴史と女性の貧困
4 日本の在宅介護の展開―主婦を福祉の担い手に
5 ホームヘルパーの仕事―主婦の兼業職から専門職へ
6 「再家族化」「市場化」「私費購入化」のなかで
7 日本も「再家族化」「市場化」「私費購入化」か?
コラム ジェンダー平等を測る取り組み―日本は17 位、それとも102 位?
Part Ⅳ グローバル社会とジェンダー
第11章 刑法の国際化とジェンダー
1 刑法とジェンダー
2 日本の刑法の後進性
3 欧米先進国の刑法
4 フランス刑法の先進性
5 刑法の国際化とジェンダー平等の実現
コラム 児童ポルノ・わいせつ物頒布等罪と表現の自由
第12章 「従軍慰安婦」問題
1 河野談話
2 「慰安婦」問題の解決から遠ざかる日本
3 「慰安婦」問題の解決を妨げる女性蔑視
4 日本人「慰安婦」―3人の人の語りに耳を澄ませる
5 「慰安婦」問題の解決に向けて
コラム 「祖国と女達」(従軍慰安婦の唄)
第13章 女性差別撤廃条約と人権
1 人権保護のための条約の意義
2 人権の国際的保障
3 女性差別撤廃条約の概要
4 女性差別撤廃条約の批准と国内法整備
5 女性差別撤廃委員会による日本の報告書の審議
6 女性差別撤廃条約の意義
コラム 女性差別撤廃条約と専業主婦
執筆者紹介
牟田和恵(ムタ カズエ)
大阪大学大学院人間科学研究科教授。専門は社会学・女性学。
主な著書:『部長、その恋愛はセクハラです!』(集英社)2013年、『家族を超える社会学』(新曜社)2009年、『ジェンダー家族を超えて─近現代の生/ 性の政治とフェミニズム』(新曜社)2006年、『実践するフェミニズム』(岩波書店)2001年、『戦略としての家族─近代日本の国民国家形成と女性』(新曜社)1996年