紙 版
日常診療に携わる小児内分泌専門医に向け、希少疾患である先天性骨系統疾患・代謝性骨疾患における最新の知見と症例を紹介する。
| 出版年月 | 2026年03月31日 |
|---|---|
| ISBN | 978-4-87259-869-8 C3047 |
| 判型・頁数 | B5判・162ページ |
| 定価 | 本体7,900円(税込8,690円) |
| 在庫 | 未刊・予約受付中 |

正確な診断と適切な治療のために。最新の知見と豊富な症例を各分野の専門家が詳細に解説!
先天性骨系統疾患、代謝性骨疾患は骨やミネラル代謝に異常をきたす先天性疾患である。これらは希少疾患であるために、小児内分泌専門医であっても診療の機会が限られており、また疾患のバリエーションが多岐にわたるため、体系的に症例を経験し正確な診断を行うことが困難である。
一方で分子遺伝学研究の進歩により、先天性骨系統疾患、代謝性骨疾患の原因となる遺伝子バリアントが多数明らかになりつつあり、また同定された病因遺伝子の機能解析に基づいた分子生物学的な病態解明と、その病態に特異的な分子標的薬の開発も進んでいる。そのため今日では先天性骨系統疾患、代謝性骨疾患を正確に診断し、正しい治療介入を行うことの重要性が一層増していると言える。
そこで本書ではとりわけ日常診療に携わる小児内分泌専門医を主な対象として、各分野の専門家により先天性骨系統疾患、代謝性骨疾患における最新の研究成果と豊富な症例経験に基づいた知見を提供する。これまで先天性骨系統疾患、代謝性骨疾患に関して、骨X線所見と小児内分泌専門医として必要な臨床症状やその管理法について包括的に概説している書籍は存在しないため、本書は日常診療において有用であると考える。
近年の遺伝学的解析法の進歩により、診断における遺伝学的解析の重要性が増しているなかで、どのような病的バリアントを想定して、どのような検査法を適切に選択するかという判断が日常診療で求められるようになっている。また先天性骨系統疾患、代謝性骨疾患においては適切な治療選択とともに、疾患特異的な合併症についても正確な理解と適切なコンサルテーションが必要となる。このためこれらの専門知識を基に小児内分泌専門医が患者を診療し、適切なタイミングで適切な科にコンサルトをすることができるよう、本書では歯科、産科、整形外科、臨床遺伝の専門医にも執筆いただいた。
先天性骨系統疾患、代謝性骨疾患の患者に対して正確な診断と適切な治療を行い、よりよい医療サービスの提供につなげるための知見を凝縮した一冊。
序 (大幡泰久)
第1章 骨系統疾患総論―成長障害の観点から(大薗恵一)
はじめに
1.成長軟骨帯
2.骨系統疾患のNosology
3.軟骨基質、転写因子、破骨細胞機能と骨系統疾患の関連
4.指定難病
5.低身長の鑑別診断
6.内分泌と骨系統疾患の接点
7.骨系統疾患の治療
おわりに
第2章 骨系統疾患症例骨X線見方の基本(西村玄)
はじめに
1.四肢短縮のパターン
2.レントゲン診断の基本
3.骨幹端のカッピング
4.軟骨無形成症における骨幹端カッピングと関連骨変化
5.骨端の円錐状変形
6.骨幹端の横方向への拡大
7.変容性骨異形成症の骨幹端拡大と関連骨変化
8.骨幹端異形成
9.骨幹端異形成症諸型
10.骨端異形成
11.椎体の特徴的変形
12.その他の脊椎異常
13.多発性異骨症(dysostosis multiplex)の骨変化
おわりに
第3章 骨系統疾患に対する遺伝学的検査(山本賢一)
はじめに
1.遺伝学の基礎
2.小児科診療とゲノム
3.骨系統疾患と遺伝
4.骨系統疾患への遺伝学的検査
5.骨系統疾患診療における遺伝学的検査の選択
6.遺伝医療との連携
おわりに
第4章 FGFR3関連骨系統疾患(北岡太一)
はじめに
1.タナトフォリック骨異形成症
2.軟骨無形成症の診断
3.軟骨無形成症の低身長に対する治療
4.軟骨無形成症の合併症
5.軟骨低形成症
おわりに
第5章 軟骨無形成症・軟骨低形成症以外の低身長を呈する骨系統疾患(大幡泰久)
はじめに
1.変容性骨異形成症(Metatropic dysplasia)
2.偽性軟骨無形成症(Pseudoachondroplasia)
3.アグリカン異常症:Short stature and advanced bone age, with or without early-onset osteoarthritis and / or osteochondritis dissecans(SSOAOD)
4.ムコ多糖症IVA 型(Morquio病)
おわりに
第6章 低ホスファターゼ症(道上敏美)
はじめに
1.疾患概要
2.診断
3.治療・管理
4.日本人HPPの臨床的/遺伝学的特徴
5.HPP 診療ガイドライン
おわりに
第7章 骨形成不全症(窪田拓生)
はじめに
1.臨床症状
2.X 線所見
3.病型分類
4.骨の特性
5.分子学的病態
6.骨形成不全症53例のまとめ
7.鑑別診断
8.小児骨粗鬆症
9.骨形成不全症の治療
おわりに
第8章 FGF23関連低リン血症(藤原誠)
はじめに
1.FGF23とは
2.FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症
3.X染色体連鎖性低リン血症性くる病(XLH)
おわりに
第9章 Ⅱ型コラーゲン異常症(山本賢一)
はじめに
1.疾患概念
2.病態生理学的基盤
3.疾患分類と診断
4.臨床像の解析
5.治療・管理戦略
6.統合的管理の必要性
7.今後の展望
おわりに
第10章 高身長をきたす骨系統疾患(武鑓真司)
はじめに
1.高身長の定義と診断アプローチ
2.遺伝学的検査の臨床的意義:14症例の解析
おわりに
第11章 手のX線画像から診断される全身管理が必要な疾患(大幡泰久)
はじめに
1.短指症の分類
2.各遺伝子異常の特徴
3.病態の説明
4.症例提示
5.PTH の作用機序
6.偽性副甲状腺機能低下症(PHP)の分類
7.先端異骨症(acrodysostosis)
おわりに
第12章 母体環境因子に起因する骨系統疾患(藤原誠)
はじめに
1.胎児発生に影響を及ぼす環境因子
2.自己免疫疾患合併妊娠の胎児への影響
3.点状軟骨異形成症(CDP)
4.母体自己免疫疾患関連点状軟骨異形成症
5.症例提示
6.当科での母体自己免疫疾患関連点状軟骨無形成症の経験のまとめ
7.母体自己免疫疾患関連点状軟骨異形成症の診療における留意点
おわりに
第13章 骨疾患患者の小児歯科診療―小児歯科医から小児科医に伝えたい点(大川玲奈)
はじめに
1.歯の基礎知識
2.骨疾患と歯科症状
おわりに
第14章 骨系統疾患における周産期の母体と胎児へのアプローチ―小児科医・新生児科医へ求めること(味村和哉)
はじめに
1.出生前診断
2.リプロダクティブ・ヘルス・アンド・ライツ(Reproductive Health and Rights):妊娠中絶という選択
3.フィータス・アズ・ア・ペイシェント(Fetus as a patient):妊娠継続という選択
4.胎児緩和ケア
おわりに
第15章 小児整形外科の骨系統疾患診療―小児科医・新生児科医に求めること(吉田清志)
はじめに
1.化膿性関節炎
2.骨折
3.脱臼
4.内反足
5.脊椎疾患
6.疾患各論
おわりに
索引
著者紹介
大幡泰久(オオハタヤスヒサ)
2003年3月 大阪大学医学部医学科卒
2003年6月 大阪大学医学部附属病院小児科 研修医
2004年4月 箕面市立病院小児科 医員
2007年4月 大阪大学医学部附属病院小児科 後期研修医
2008年4月 大阪大学大学院医学系研究科博士課程入学
2013年4月 大阪大学大学院医学系研究科小児科学 医員
2014年4月 大阪大学大学院医学博士の学位授与
2014年10月 大阪大学大学院医学系研究科小児科学 特任助教(常勤)
2015年4月 インディアナ大学血液腫瘍科 リサーチフェロー
2017年4月 大阪大学大学院歯学系研究科第一口腔外科 助教(常勤)
2019年3月 大阪大学大学院医学系研究科小児科学 助教(常勤)
2022年4月 大阪大学医学部学部内講師
2025年4月 大阪大学大学院医学系研究科小児科学 講師 現在に至る
大川玲奈(オオカワレナ)
2002年、大阪大学歯学部卒。
2006年 大阪大学大学院歯学研究科修了、
2006年~2012年 大阪大学歯学部附属病院医員、
2012年~2015年 大阪大学大学院歯学研究科助教、
2015年~2022年 大阪大学歯学部附属病院講師、
2022年より大阪大学大学院歯学研究科 小児歯科学講座 准教授(現職)。
大薗恵一(オオゾノケイイチ)
1982年、大阪大学医学部医学科卒。1992年、大阪大学医学博士。
1982年 大阪大学医学部附属病院医員(研修医)、
1989年 Baylor College of Medicine, Research Associate、
1994年 大阪府立母子医療センター研究所 環境影響部門部長、
2002年 大阪大学大学院医学系研究科 小児科学講座 教授、
2023年 大阪大学を退任・大阪大学名誉教授付与、
2023年より医誠会国際総合病院難病医療推進センター・センター長(現職)。
北岡太一(キタオカタイチ)
2000年、弘前大学医学部卒。2011年、大阪大学医学博士。
2000年 大阪大学小児科学教室入局後、箕面市立病院、大阪大学医学部附属病院等での勤務を経て、2010年から2023年まで大阪大学大学院医学系研究科にて特任助教・助教・学部内講師を務める。
2023年10月より医誠会国際総合病院小児科部長(現職)。
窪田拓生(クボタタクオ)
1998年、大阪大学医学部医学科卒。
1998年~2003年 大阪大学医学部附属病院小児科、箕面市立病院小児科、市立伊丹病院小児科、
2003年~2008年 大阪大学大学院医学系研究科博士課程、
2008年~2011年 米国カリフォルニア大学サンフランシスコ校内分泌研究室、
2011年~2015年 大阪大学大学院歯学研究科 口腔外科学第一、医学系研究科 小児科学(兼任)、
2015年~2025年 大阪大学大学院医学系研究科 小児科学、
2025年より大阪母子医療センター腎・代謝科(現職)。
武鑓真司(タケヤリシンジ)
2010年、大阪大学医学部医学科卒。
2010年~2012年 箕面市立病院 臨床研修医、
2012年~2014年 箕面市立病院 小児科、
2014年~2020年 大阪大学医学部附属病院 小児科、
2020年~2023年 大阪大学大学院医学系研究科 小児科学 特任助教、
2023年~2024年 ひだこどもクリニック 常勤医、
2024年より宝塚たかの小児科 常勤医(現職)。
西村玄(ニシムラゲン)
1976年、慶應大学医学部卒。
慶應大学病院放射線診断部、国立循環器病センター、埼玉小児医療センター、Royal Alexandra Hospital for Children(Camperdown Children’s Hospital, Sydney)、清水市立病院、獨協医大、東京都立小児医療センターなどを経て、
2018年より武蔵野陽和会病院 放射線科(現職)。
藤原誠(フジワラマコト)
2003年、大阪大学医学部医学科卒。
2003年~ 2004年 大阪大学医学部附属病院 小児科、
2004年~2006年 市立池田病院 小児科、
2006年~2007年 市立堺病院小児科、
2007年~2015年 大阪大学医学部附属病院小児科、
2015年~2017年 大阪大学大学院歯学部附属病院 医科系、
2017年~2019年 米国メイン医療センター研究所、
2019年~2023年 大阪大学大学院歯学部附属病院 医科系を経て、
2023年より大阪大学医学部附属病院 小児科(現職)。
道上敏美(ミチガミトシミ)
1988年、大阪大学医学部医学科卒。2000年、大阪大学医学博士。
1989年~1991年 市立吹田市民病院小児科、
1993年~1995年 大阪府立母子保健総合医療センター小児内科、
1995年~1997年 テキサス大学 サンアントニオ校 内分泌代謝部門、
1997年~2002年 大阪府立母子保健総合医療センター(現・大阪母子医療センター)研究所 環境影響部門(現・骨発育疾患研究部門) 主任研究員を経て、
2003年より同部長、2024年より研究所長を兼務(現職)。
味村和哉(ミムラカズヤ)
2003年 大阪大学医学部医学科卒。
2003年 大阪大学医学部産科学婦人科学教室研修医、
2004年 市立泉佐野病院産婦人科研修医、
2006年 大阪大学医学部附属病院医員、
2009年 大阪府立母子保健総合医療センター研究所免疫部門研究員、
2010年 エコチル調査・大阪ユニットセンター特任助教、
2011年 大阪大学医学系研究科 産科学婦人科学教室 助教、
2019年 大阪大学医学系研究科 産科学婦人科学教室 学内講師、
2023年より大阪大学医学系研究科 遺伝子診療部 特任准教授(産婦人科兼任)。
山本賢一(ヤマモトケンイチ)
2009年、大阪大学医学部医学科卒。
2011年~2014年 沖縄県立南部医療センター・子ども医療センター 専攻医(小児科)、
2015年~2017年 大阪大学医学部附属病院 小児科医員 を経て、
2023年より大阪大学大学院医学系研究科 保健学専攻 成育小児科学研究室 准教授(現職)。
吉田清志(ヨシダキヨシ)
2003年、大阪大学医学部医学科卒。
2005年 大阪府立母子医療センター 整形外科、
2011年 大阪大学大学院医学研究科修了、
2011年~2021年 大阪大学整形外科、
2021年より、こどもとかぞくの整形外科よしだクリニック院長(現職)。











