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模索するロシア帝国

大いなる非西欧国家の19世紀末

竹中 浩

紙 版電子版

ロシアはいかなる条件のもとで大国の地位を築いたのか。日露戦争までの40年間のヴィッテを中心とした政治思想を読み解く。

出版年月2019年10月25日
ISBN978-4-87259-687-8 C3031
判型・頁数 A5判・278ページ
定価本体4,800円(税込5,280円)
在庫在庫あり
内容紹介
目 次
著者略歴

ロシアはいかなる条件のもとで大国の地位を築いたのか。日露戦争までの40年間のヴィッテを中心とした政治思想を読み解く。日本では19世紀末のロシアについて日露戦争の前史にあたることから、戦争における日本の勝利を必然かつ正当とみなすため、およそ正確とは言い難いイメージが広く行き渡っている。近代化を西欧化と同一視しがちであった従来の見方も反省し、これまで詳細につづられてこなかった姿を問う。

序論

一 対象とする時代
二 本書の視覚
三 本書の構成と資料

第一章 前提

第一節 ナショナリズムと保守的論壇
一 ロシア・ナショナリズム  /ニ アレクサンドル二世時代の保守的言論/三 汎スラヴ主義と露土戦争
第ニ節 アレクサンドル三世の時代
一 アレクサンドル三世とロシアの対外関係  /ニ ヴィッテの登用

第ニ章 地方自治と立憲主義

第一節 アレクサンドル二世時代のゼムストヴォと立憲主義
一 ゼムストヴォ開設と首都の立憲主義  /二 租税問題と立憲主義  /三 ゼムスキー・ソボール
第二節 反改革とヴィッテ体制
一 反改革と貴族  /二 ヴィッテ体制と経済対立  /三 貴族問題
第三節 ゴレムィキン内相期におけるゼムストヴォ論
一 国家行政機関とゼムストヴォ  /二 食糧供給と全身分的郷  /三 救貧に対する責任と財政負担  /四 県ゼムストヴォの主導
第四節 ゼムストヴォ導入地域の拡大をめぐる論争
一 ゴレムィキンの提案  /二 ヴィッテの批判  /三 その後  
小活

第三章 宗教政策における法治

第一節 公認宗教とセクトの間
一 公認宗教としてのルター派教会  /二 公認宗教以外の信仰  /三 宗教的寛容とシュトゥンディスト  /四 セナートと内務省
第二節 ロシア化の手段としての刑事罰
一 ナショナリズムの標的としてのバルト・ドイツ人  /二 バルト・ドイツ人批判と行政的ロシア化  /三 アレクサンドル三世時代の宗教・教育政策  /四 その後
第三節 兵役忌避と国外移住―メノナイトとドゥホボール―
一 メノナイトの北米移住  /二 ドゥホボールによる「違法」行為の処分  
小活

第四章 ロシア帝国と東アジア

第一節 満洲横断鉄道の敷設
一 一八八〇年代の露清関係とシベリア横断鉄道構想  /二 満洲における鉄道の敷設  /三 黄海へのアクセスと関内外鉄路  /四 その後
第二節 ジャーナリズムと中国問題
一 中国問題の出現  /二 租借における中国分割  /三 義和団事件  /四 英独協定とロシアによる満洲占領  /五 その後
第三節 移民問題と黄禍論
一 問題の所在  /二 黄禍論  (一)英米の黄禍論(二)ロシアの黄禍論/三 東アジア諸国からの移民  (一)アムール州における清国人居留地(二)沿海州における中国人居留地(三)ウンテルベルゲル総督の朝鮮人移民対策
小活

結び
あとがき
参考文献

竹中 浩(タケナカ ユタカ)

岐阜市生まれ。奈良大学社会学部教授。大阪大学名誉教授。法学博士(東京大学)。専門はロシア政治思想史。主著は『近代ロシアへの転換―大改革時代の自由主義思想―』(東京大学出版会、1999年)。編著に『言葉の壁を越える―東アジアの国際理解と法―』(大阪大学出版会、2015年)。

NEWS・イベント・書評等

書評・紹介 2021年1月7日

『模索するロシア帝国--大いなる非西欧国家の19世紀末』(著:竹中浩)

『史学雑誌』129編11号(2020年11月20日付)に本書の書評が掲載されています。評者は松里公孝先生(東京大学)です。


書評・紹介 2019年11月18日

『模索するロシア帝国―大いなる非西欧国家の19世紀末』

竹中浩・著が、11月10日付の奈良新聞に書評掲載されました。