カート

よく検索される書籍>Exploratory Corpus Linguistics現代中国語における“是”とモダリティ二重読みされる中華民国プルースト 創造の部屋外交・安全保障政策から読む欧州統合オールドニュータウンを活かす!

全ての書籍 政治・法律 語られなかったアメリカ市民権運動史 

語られなかったアメリカ市民権運動史 

アファーマティブ・アクションという切り札

安井倫子

紙 版電子版

アメリカ社会における人種問題と市民権運動の歴史を、アファーマティブ・アクションの歴史的推移を中心に再考する。

出版年月2016年06月01日
ISBN978-4-87259-552-9 C3022
判型・頁数 A5判・264ページ
定価本体4,500円(税込4,950円)
在庫在庫あり
内容紹介
目 次
著者略歴

1960年代以降のアメリカ社会における人種問題と市民権運動の歴史を、アファーマティブ・アクションの歴史的推移を中心に再考する。アメリカ国民の境界線の再編に深くかかわる「諸刃の剣」として統合と分断の役割を担わされてきたアファーマティブ・アクションについて、フィラデルフィアとリッチモンドを事例として、黒人労働者や労働組合の動向に焦点を当てて検証し、アメリカ人種問題の解決への糸口を探る。

序章 ―現代アファーマティブ・アクションとは何か―

1 問題の背景
2 今日のAAが抱える課題
3 AA研究史
4 本書の課題と構成

第1章 アファーマティブ・アクションの系譜 ―歴史に現れた三つの先例―

はじめに
1 南部再建期(1860年代) ―アファーマティブ・アクションの源流
2 ワグナー法(1935年) ―「アファーマティブ・アクションは白人のものであった」
3 ケネディ大統領行政命令10925(1961年) ―市民権運動とアファーマティブ・アクション
おわりに

第2章 「下からのアファーマティブ・アクション」 ―フィラデルフィアにおける市民権運動の展開

はじめに
1 背景 ―冷戦と市民権運動―
 1.1 民主主義の競争 ―冷戦―
 1.2 冷戦リベラリズム
 1.3 フィラデルフィア市民権運動の変容
2 雇用平等をめざして ―人間関係委員会・協会・NAACP―
 2.1 背景
 2.2 第一段階:セレクティヴ・パトロネージ・プログラム
 2.3 第二段階:1963年「公正雇用実施条例」の制定へ
3 暴動を乗り越えて ―「下からのAA」を実践する
4 1970年代以降のフィラデルフィア市民権運動

第3章 ジョンソン政権下のアファーマティブ・アクション ―1967年フィラデルフィア・プランを中心に―

はじめに
1 背景
2 フィラデルフィア・プランの展開
 2.1 OPPの導入
 2.2 現場の困惑
 2.3 雇用者の不満
 2.4 労働組合の立場:反発・困惑・協力
3 CHRによる収拾からOPPの廃止へ
おわりに

第4章 ニクソン政権のアファーマティブ・アクション ―1969年改訂フィラデルフィア・プランを中心に―

はじめに
1 背景
 1.1 1960年代末の市民権運動
 1.2 ニクソン政権と市民権問題
 1.3 フィラデルフィア・プランの再生
2 RPPをめぐる紛争
 2.1 8月公聴会
 2.2 建設労働組合大会 ―RPP絶対反対を決議―
 2.3 10月公聴会
 2.4 12月議会採決
3 ニクソン政権のAAからの後退
おわりに

第5章 現代アファーマティブ・アクションの展開 ―1983年リッチモンド・プランを事例に―

はじめに
1 セパレート・シティ
 1.1 黒人による政治的影響力の拡大
 1.2 市街地再開発をめぐる利害
 1.3 黒人多数派議会の誕生
2 リッチモンド・プランに向かって
 2.1 1970年代 ―雇用平等のためのアファーマティブ・アクション―
 2.2 マーシュ市政のAA ―対立と協調―
 2.3 セット・アサイドの展開
3 リッチモンド・プランの展開と意義
 3.1 ロイ・ウエスト市長の誕生
 3.2 リッチモンド・プランと再開発
 3.3 リッチモンド・プラン採択
 3.4 リッチモンド・プラントクロソン裁判
 3.5 リッチモンド・プランの有効性
おわりに

終章

参考文献
おわりに
索引

安井倫子(ヤスイミチコ)

1945年、台湾台南市にて生まれる。1968年、神戸市外国語大学卒業後、大阪府豊中市立中学校英語教員。2000年、退職。1999年、大阪外国語大学国際文化学科(夜間主)卒業。2003年、大阪大学大学院文学研究科前期課程修了。2011年、同後期課程単位取得退学。2014年、同修了。博士(文学)。

NEWS・イベント・書評等

書評・紹介 2017年7月10日

『語られなかったアメリカ市民権運動史』

『西洋史学 263』(日本西洋史学会編)に掲載されました。(評者;富山大学准教授:小野直子先生)