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前頭葉性認知障害をもつ人の談話分析

在庫あり
濱村 真理 著
A5判 392ページ 上製
定価6000円+税
ISBN978-4-87259-377-8 C3047
奥付の初版発行年月:2011年02月

内容紹介
目次
著者略歴

内容紹介

 「目に見えない障害」と呼ばれる前頭葉損傷に伴う認知障害の実態を,「対人社会的不適切性」として,その発言・行動が生じているコンテクストに根拠を求めつつ明らかにするとともに,リハビリ開始から改善に至る患者とのコミュニケーション記録を詳細に分析し,談話分析や相互行為論のパラダイムにおいて,「自己認識」や「主体性」の問題を論考.さらに,認知障害をもつ人と理解しあう上での認識・態度の在り方を提唱する.


 

目次

第1 章 序 論
1.1 問題意識と研究目的
1.1.1 認知障害概説
1.1.2 認知障害者の主体性、不適切性の問題
1.1.3 研究目的
1.2 先行研究の概観と課題
1.2.1 脳損傷を受けた人の談話研究
1.2.2 前頭葉性認知障害をもつ人の会話の研究
1.2.3 包括的な質的研究の必要性
1.3 本書の構成

第2 章 研究方法と枠組み
2.1 談話分析の諸理論
2.1.1 折衷的談話分析(Schiffrin 1994 )
2.1.2 テクスト言語学
2.1.3 Goffman の相互行為論
2.1.4 包括的談話分析(Labov and Fanshel 1977 )
2.1.5 相互行為の社会言語学
2.2 分析概念
2.2.1 会話のシークエンスと対人的形式に関する概念
2.2.2 テクスト性の概念
2.2.3 Goffman の相互行為と自己に関する概念
2.3 不適切性をめぐる問題
2.3.1 操作的定義と指標
2.3.2 原因認定の基準
2.3.3 談話資料および参与者の特徴
2.4 会話データ収集
2.4.1 調査協力者
2.4.2 収集・処理法

第3 章 対象者の認知障害
3.1 前頭葉症候群概説
3.1.1 解剖生理学的特徴
3.1.2 遂行機能
3.1.3 デフォールト・モードの抑制(状況適応)
3.1.4 対人社会性
3.2 機能形式の障害
3.2.1 抑制障害
3.2.2 注意焦点化・維持障害
3.2.3 固着
3.2.4 照合・写像障害
3.2.5 機能形式としてくくる意義
3.3 認知障害初期評価とプロフィール
3.3.1 現病歴と神経心理学的所見
3.3.2 医学的治療とリハビリテーション
3.3.3 個人史・プロフィール
3.3.4 認知障害初期評価

第4 章 認知障害と談話の不適切性の分析
4.1 分析法
4.1.1 分析項目
4.1.2 文字化の記号
4.2 抑制障害の影響下で
4.2.1 質問に答えず脱線する
4.3 注意障害の影響下で
4.3.1 相手に自らの咎めを負わせ、コミュニケーションを破綻させる
4.3.2 コミュニケーションを破綻させうる不適切性
4.4 固着障害の影響下で 160
4.4.1 おきまりのトピックに回帰する
4.4.2 無関連なトピックへの固執
4.4.3 ステレオタイプ的発言
4.5 照合障害の影響下で
4.5.1 フレイムの変化に合わせられない
4.5.2 間違った答で相手を誤解させたことに気付かない
4.5.3 言外の意味を察せない
4.5.4 相手の知識の想定を誤る
4.5.5 重大な自己誤認
4.5.6 自己についての時間的記憶の誤り
4.5.7 病識の低下
4.6 限定的相互行為のまとめ
4.6.1 認知機能形式障害と対応する不適切性
4.6.2 会話の規則、テクスト性に関して
4.6.3 相互行為概念、主体性の認定に関して
4.6.4 方略と対応策
4.6.5 不適切とされる要因

第5 章 認知リハビリテーション後の変化
5.1 認知機能の変化
5.1.1 認知リハビリテーションの概要と検査結果
5.1.2 認知機能と日常生活能力の総合評価
5.2 認知機能と会話の改善
5.2.1 トピックの変化やフィードバックに対応
5.2.2 補修作業と印象管理充足
5.2.3 速い展開に対応、表敬充足
5.2.4 自己の能力と相手の期待を理解
5.3 談話と行動に基づく残存障害の評価
5.3.1 残存する照合障害と自己認識ないし社会性の問題
5.3.2 時間の前後関係と現状を誤認
5.3.3 自己の統括的認識の低下(残存障害に関して)
5.3.4 自己の統括的認識の低下(将来の問題解決に関して)
5.3.5 自己の行動の帰結への配慮低下
5.3.6 社会的役割や義務への配慮低下
5.3.7 心理的解釈の扱い
5.4 まとめ
5.4.1 認知機能形式障害と対応する不適切性の変化
5.4.2 相互行為儀礼、状況への対応の改善
5.4.3 自己認識と「いまここ」を超える行動の問題
5.4.4 談話分析で説明可能となる障害の社会文化的解釈
5.4.5 コミュニケーションを破綻させうる不適切性の改善
5.4.6 主体性の認定と相互行為の拡大

第6 章 改善後の相互行為の分析
6.1 セクション1―会話から訓練フレイムへ
6.1.1 相互行為儀礼の適用
6.1.2 障害の影響が疑われる
6.1.3 直截な反論
6.1.4 主体性の理解を格下げされる
6.2 セクション2―療法士による傍受
6.2.1 療法士の驚き
6.2.2 判断力を傍受
6.3 セクション3―直截さと撞着
6.3.1 見落としを認める
6.3.2 前職への撞着
6.3.3 面目をつぶされても
6.3.4 状況誤認のまま
6.4 セクション4―自負を砕かれて
6.4.1 「働きすぎて脳卒中になった」
6.4.2 動揺と弱音
6.4.3 訓練フレイムに留まる
6.5 セクション5―柔軟な認識転換
6.5.1 自己の客観視
6.5.2 共感に基づき相互行為儀礼復活
6.6 セクション6―社会的感情に囚われる療法士
6.6.1 「元通りにはならない」
6.6.2 その場しのぎ
6.6.3 「治ると言ってほしい」
6.6.4 矛盾を突かれての保身
6.6.5 言語ゲーム的相互行為から遁走
6.7 まとめ
6.7.1 ディスコミュニケーションから発展的相互行為へ
6.7.2 主体性の理解の転換が相互行為に与える影響
6.7.3 社会的感情が喚起されないことの効果
6.7.4 認知障害者との相互行為を支えるもの

第7 章 結 論
7.1 要約
7.2 認知障害者との関わりへの示唆
7.3 今後の課題

謝 辞
参考文献
資 料
索 引  

著者略歴

濱村 真理(ハマムラ マリ)
姫路獨協大学医療保健学部言語聴覚療法学科 准教授

(上記内容は本書刊行時のものです。)